japanese.china.org.cn | 15.09.2015

中韓FTAが締結、焦りを見せない日本

タグ: 中韓FTA

10年間に渡る共同研究と議論を経て、中韓両国は6月1日に「中華人民共和国政府と大韓民国政府の自由貿易協定」(略称は中韓FTA)を締結した。世界3位の経済国、中国のアジアの隣国である日本は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)加入問題で「慎重な態度」を示し、創設メンバー国入りを見送ったが、中日韓FTAの交渉でも「慎重な態度」を示している。

中日韓は2003年に、FTAの共同研究を開始した。2013年3月には第1回交渉会合を実施し、2014年8月の第5回交渉会合で苦しい局面を迎えた。この状況の中、中韓FTAが一歩先行し、2014年11月に実質的な交渉を完了した。

中韓FTAの規定によると、中韓の貨物貿易の自由化水準は、税目ベースで90%、貿易額ベースで85%以上に達する。FTAの発効後、韓国から毎年中国に輸出される730億ドルの商品、中国から韓国に輸出される418億ドルの商品から関税が撤廃される。輸出産業の構造が韓国と類似する日本は、プレッシャーを感じるはずなのだが、焦っているようには見えない。

日本経済新聞は、「韓国は日本に先駆けて中国で自由化の恩恵を受けるが、日本勢と競合する自動車が対象外となるなどで日本企業への影響は短期的には小さそうだ。発効後に関税が即時撤廃される品目も韓国の対中輸出総額の3.7%にすぎず、短期的に韓国の輸出環境を大きく好転させるのは難しい。中国からの輸出品目では鶏肉など重要農作物の多くが対象外。中国にとって韓国とのFTAは昨秋に交渉妥結したオーストラリアと並び、アジア太平洋地域で先進国との経済連携を強化する戦略的な意味を持つ」と分析した。

日本の政府の着眼点は、米国主導の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉、EUとの経済連携協定(EPA)の交渉にある。安倍政権はEPAの年内合意を目指しているが、EUはTPP交渉の優先推進が日本の本意であると判断しており、日本との関税撤廃の交渉に進展が見られないことに不満を抱いている。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年6月3日