japanese.china.org.cn | 29.09.2016

第12回北京―東京フォーラム、成功裏に閉幕

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中国外文局と日本の言論NPOが共催する第12回北京―東京フォーラムが28日、東京で閉幕した。中日両国の政界・ビジネス界・学術界・メディア・地方などから500人弱が閉幕式に出席した。

中国人民解放軍軍事科学院中米防衛関係研究センター元主任の姚雲竹少将、中国石油化工の傅成玉元会長、日本の川口順子元外相、日中協会の野田毅会長が中日双方を代表し、閉幕式で基調演説を行った。

姚氏は演説の中で「安保は中日関係の最も困難な分野だが、両国の来賓が同フォーラムで率直かつ理性的に対話し、真剣かつ積極的に検討するたびに、深い印象を受けた。中日安全関係の改善は、まず危機管理から着手し、効果的な連絡メカニズムを構築し、判断ミスを防止するべきだ。次に中日防衛部門は双方の協力分野の拡大に尽くし、地域と世界に公共財をもたらすべきだ。それから中日双方は、新たな安保問題の出現を防止する。中日両国は数千年の隣人であり、双方が共に努力すれば登れない坂はなく、越えられない溝もないと信じている」と述べた。

中国企業界の代表者である傅氏は「中国は未来の急速な変化を推進する重要な力になる。台頭する中国に対する最良の戦略は、その台頭を遅らせるのではなく、中国の発展という快速列車に乗る方法を考えることだ。日本は世界3位の経済国であり、中国の隣人でもあり、中国の改革の成果を手にする機会を最も多く持つはずだ。中日企業は工業製造、金融サービス、省エネ・環境保護などの分野で、非常に大きな協力の余地を残している。多くの日本製品が中国市場に進出することを願っており、日本企業が中国企業と協力するため協力したい」と話した。

川口氏は中国文化の多様性、仏教のアジアへの宗教的な影響から、国情の異なるアジア諸国をいかに団結させるべきかについて語った。「中日はアジアの2大経済国であり、アジアと世界の平和的発展の促進に貢献できるかは、両国の長期的な協力の手段と包括的な枠組みにかかっている」

野田氏は中日両国の交流の歴史を振り返り、「中日は文化が近く、謙虚は両国に共通する美徳だ。双方が互いに尊重し、互恵とウィンウィンを実現することを願う」と述べた。

閉幕式では5つの分科会の代表者が、議論の状況と得られた成果について報告した。

国家発展改革委員会学術委員会の張燕生秘書長は経済分科会の状況について報告した際に、「双方の来賓は中日企業の高速鉄道、化学工業、低炭素・省エネ、環境改善、高齢者福祉事業などの分野の協力について、積極的に検討した。特に新しいインターネットビジネスは来賓の興味を引き、中日の協力は将来性が高いとされた。また来賓は中日韓自由貿易区の互恵効果を早期実現すべきと呼びかけた」と話した。

上海市日本学会の呉寄南会長は政治・外交分科会を代表し、「中日の来賓は理性的・実務的な態度により、現在の中日関係を改善するため熱心に議論した。双方は、世界とアジアの現行の秩序は調整期を迎えており、中日関係の発展は歴史的な試練を迎えていることで一致した。中日両国は相手国の発展の動向に注目しているが、認識には差がある。インターネット時代において、ネットワークによるナショナリズムの波が中日関係を損ねることに強く警戒しなければならない」と発言した。

藤崎一郎元駐米大使は「現在の中日関係の問題を検討する際に、中日の4つの政治文書が形成した両国の政治関係の基礎を忘れてはならない」と補足した。

宮本雄二元中国大使は安全保障分科会の状況について「中日の来賓は朝鮮半島情勢の緊張が、中日の共同の利益に影響を及ぼすと判断した。判断ミスを防止するため、両国の海空連絡メカニズムを早期運用する必要がある。中日は意思疎通と交流を通じ、北東アジア安全情勢の新たな枠組みを形成するべきだ」と述べた。

南京大学国際関係研究院の朱峰院長は「双方の来賓は安全保障分科会の議論で率直に交流し、相手側の声に真剣に耳を傾ける態度が印象的だった」と語った。

清華大学現代国際関係研究院の劉江永副院長は、「特別分科会では、中日の人員交流により、両国の国民感情の低迷という現状を改善することが中心的に議論された。また来賓は両国の長期的な発展を念頭に置き議論し、冷静かつ実務的で、熱意にあふれていた。高みがあり、温もりもあった」と述べた。

人民中国雑誌社の王衆一編集長、日本の近藤誠一元文化庁長官はメディア・文化分科会の報告を行った。王氏は「中日のメディアは両国民の相互理解を促し、認識を改めさせ、中日関係をいかに改善すべきかについて理性的に判断させる義務がある。これには双方のメディア同業者のたゆまぬ努力のほか、さまざまな角度からの思考をもたらす必要がある。双方のメディアが今後、互いに尊敬し、啓発しあい、互恵枠組みを構築し、提携し、競争と相互補完の局面を形成することを願う」と語った。

両国の識者は今回のフォーラムで、現在の中日関係の改善、両国の協力による地域・世界の安定と繁栄の促進に対して、積極的な力を持つ正しく明快な見解を出し、これを「東京コンセンサス」としてまとめ閉幕式で発表した。

閉幕式の最後に、中国外文局の周明偉局長と言論NPOの工藤泰志理事長は同フォーラムの中日主催者代表として、出席した両国の来賓、フォーラムを指導した両国外交部門、ボランティアらに心からの謝意を表した。

周氏は式辞の中で「今回のフォーラムで出席者が注目したのは、中日関係のWhatとWhyだけではなく、Howの方が多かった。双方の観点は、いかに問題を解決すべきかに集中した。これは高く評価すべき傾向だった。中日関係が坂を登り溝を越え、安定的に発展するための創造的な観点を生み出す場をもたらす。これは北京―東京フォーラムの今後の方針だ。どのような形で中日国交正常化45周年を迎えるべきか、これは来年のフォーラムの重要な使命になる。我々は中日双方の識者が共に努力し、来年のフォーラムをより良いものにすることに期待する」と指摘した。

周氏は「皆さま、ありがとうございました。北京でまたお会いしましょう」と述べ、第12回北京―東京フォーラムを順調に締めくくった。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年9月29日