japanese.china.org.cn | 02.12.2020

中国・青海、生態環境の優位性が発展の優位性に

タグ:クリーンエネルギー

中国の青海省を取材に訪れると、青い空と真っ白な雲が広がり、雪をかぶった山と草原が織りなす高原の景色にうっとりさせられる。生態環境を保護すると同時に、貧困から脱却して豊かになり、産業を発展させ、地域経済を成長させるにはどうすればよいか、その道を探し出すのは複雑な課題であり、さまざまな検討と選択に直面しなければならない。今では、エコロジー発展の理念を先導役として、青海省は太陽光発電、太陽熱発電、風力発電などのクリーンエネルギーを大規模に発展させ、生産・生活におけるエネルギー問題を解決したと同時に、人々の収入の増加ももたらし、生態環境の改善も促進して、発展と保護、貧困脱却と生態環境保護のウィンウィンを実現した。人民日報が伝えた。

生態環境の保護と経済発展とは対立する関係にあるのではなく、統一される関係にある。産業の発展と生態環境の保護はプラスの相互連動をしており、その重要な前提は自然の法則を尊重すること、生態環境の優位性を十分に発揮することを基礎として資源・エネルギーの高効率で、クリーンで、持続可能な利用を実現することだ。

青海省は青蔵高原(チベット高原)エリアに位置し、標高が高く、空気が薄く、年間を通して日照時間が長いといった特徴があり、太陽エネルギー、風力エネルギー、水エネルギーなどの資源が非常に豊富だ。こうした大自然からの「贈り物」を十分に利用し、クリーンエネルギーを発展させれば、無限に富を生み出すことができる。

青海省海南チベット族自治州のグリーン産業発展パークでは、太陽光発電所パークの計画面積だけで609平方キロメートルに達し、現時点で設備容量は7千メガワットに迫る。パークで生産された電力は電力網に送られ、直接的に利益を生み出している。またパークでは村レベルの貧困者支援のための太陽光発電所も数多く建設され、利益の60%は村全体の経済発展に利用され、40%は公益性のある仕事への給与の支払いに充てられ、貧困人口が地元で就職できるようバックアップし、安定的な貧困脱却を促進している。

青海の優位性は生態環境にあり、発展の優位性もまた生態環境をよりどころとする。エネルギーや鉱物資源などの再生不能資源よりも、価値のポテンシャルが非常に大きく、開発によって利益を受ける面が非常に広い青海の資源は、質の高い生態環境資源に他ならない。青海は雪山、草原、森林、湖、砂漠、ゴビ砂漠など、さまざまなタイプの景観がそろっており、観光産業を発展させるには絶好のエリアでもある。

例えば国道109号線を過ぎ、共茶高速道路の出口で降りたところに位置する海南チベット族自治州共和県廿地郷切扎村は、貧困脱却のための移転での移住先の村で、太陽光産業の資金と観光による貧困者支援特定資金を利用して、ホテル、レストラン、スーパーなどのインフラを建設し、素晴らしい景観を活用して観光産業を発展させ、貧困から脱却し豊かになる道を踏み出すのに成功した。

生態環境をよりどころとして発展してきたクリーン産業は、ある地域に幸福をもたらすことができるだけでなく、これからも生態環境のメリットを確かなものにし、生態環境を改善し続けることができる。共和県塔拉灘太陽光産業パークでは、一面に広がった太陽光パネルの下に草が青々と生い茂り、羊の群れがのんびりと草を食んでいた。かつて、塔拉灘エリアは荒れ果てた土地で、砂埃が舞い上がり、砂漠化が深刻で、放牧などできなかった。太陽光発電所が建設されてから、設置されたパネルが風と日差しを部分的に遮るようになり、草原の生態環境が効果的に回復した。多くの村民がパーク内で羊を放牧し、相当の臨時収入を得て、暮らしはさらに希望に満ちたものになった。これと同時に、太陽光産業の大規模な発展によって、人々がクリーンな電気を使用するようになったため、石炭やその他の燃料の燃焼による汚染物質の排出量が大幅に削減された。

また三江源エリアの中心部に位置する瑪多県は、かつてそこで暮らす人々はディーゼル油で発電し、冬の暖房は石炭に頼るしかない状況だった。国家電網公司は同県による貧困者支援の4.4メガワット級太陽光発電所の建設を積極的に推進し、現地政府はクリーンな電気が石炭燃料に代わるよう力を入れて推進し、汚染物質の排出量を削減し、三江源エリアはいつでも青空が広がり、美しい自然環境がいつまでも続くようになった。

こうしたことからわかるのは、貧困脱却の難関攻略にしても、地方経済の発展にしても、決して生態環境を犠牲にして代償としてはならないこと、それぞれの地域の状況に合わせて適切な措置を取り、恵まれた各種の発展資源を総合的に開発しなければならないこと、産業発展と生態環境の保護とが補完し合ってさらに大きな成果を上げるように努力しなければならないことだ。エコロジー発展の道を歩み、豊かな自然をさらに美しいものにし、金銀に等しいその価値をさらに大きくすれば、人々の獲得感をこれからもずっと増進し続けることができる。(編集KS)

  「人民網日本語版」2020年12月2日