japanese.china.org.cn | 12.10.2023

世論調査のキーワードとなった「平和」と「協力」

タグ:北京ー東京フォーラム 中日関係世論調査

 2023年10月10日、中国外文局と日本の言論NPOが共同で実施した第19回「北京ー東京フォーラム」中日関係世論調査の結果がオンライン方式で北京と東京にて発表された。高岸明中国外文局副局長兼総編集長が中国側の調査データおよび基本状況について説明を行い、言論NPOの工藤泰志代表が日本側の調査結果の主要なポイントを紹介した。 




 調査結果によると、中日両国のアンケート回答者は中日関係の重要性を認め、今後の両国関係の改善と発展、地域の平和と繁栄の促進に大きな期待を抱いていることが分かった。また、両国の回答者はいずれも平和的で安定し、発展していく国際環境を望み、中日が両国の経済・貿易協力を推進し、人的・文化的交流を進め、戦略的自主性を保つと同時に、地域的およびグローバルな試練に手を携えて対処し、新時代の要請にかなう建設的で安定的な中日関係を共に構築することへの願いを示した。 


再確認された中日関係の重要性 


 このたびの調査の結果、中日の回答者のうちそれぞれ60・1%、65・1%が両国関係の重要性を認めていることが分かった。その主な理由としては、「隣国同士だから」「自国の重要な貿易相手だから」「アジアの平和と発展には中日両国の協力が必要だから」「すでに中日両国は経済や産業の面で相互依存関係を強めているから」といった回答が多数を占めた。 


 2023年は中日平和友好条約締結45周年に当たる。両国の回答者はこの条約の精神に基づいて中日関係の平和的・友好的発展が推し進められることに高い期待を抱いており、中国の43・5%の回答者が「この条約を機能させるために両国の首脳間で新しい政治文書を合意する、あるいは条約に付帯文書を付け加えるべきだ」と考え、日本の34・5%の回答者が「政府間で改めてこの条約の意味を確認し合うべきだ」と答えた。 


変わらない協力と発展の傾向  


 双方の経済・貿易協力はこれまで一貫して中日関係を安定させ、後押ししてきた。調査結果によると、中国の54・6%、日本の60・8%の回答者が相手国は世界の経済大国かつ自国の重要な貿易パートナーであり、経済・貿易における中日関係の重要な役割を肯定的に評価した。また、中国の60・1%、日本の67・2%の回答者が両国の経済・貿易協力は自国の将来にとって重要であると考えていることが明らかになった。 


 新時代における中日協力関係の構築は両国の回答者にますます幅広く認められるようになっている。中日の回答者は、地域の平和と発展を守る責任を共に担い、国際的な事務に関する協調と協力を強化し、グローバルな試練への対処に努めることなどでおおむね意見が一致し、両国が地域の事務とグローバルな試練への対処で協力を強化することへの期待を示した。中日が共有し、共に実現すべき目標・理念として最も重要なものは何かという問いでは、中国の65・7%、日本の62・4%の回答者が「平和」、中国の50・5%、日本の28・0%の回答者が「協力発展」を選んだ。 


関係阻害要因についての認識  


 両国関係の発展を阻害する要因については、中日ともに「領土をめぐる対立」を選ぶ回答者が最も多かった(中国39・5%、日本43・6%)。中国の回答者が選んだその他の主な要因では、「経済摩擦(貿易の紛争、技術移転、知的財産権など)」(28・6%)、「海洋資源などをめぐる紛争」(28・2%)、「日米同盟と日本の軍事力増強」(21・3%)、「中日両政府の間に政治的信頼関係ができていないこと」(19・2%)が上位を占めた。また、日本の回答者が挙げた中で領土問題に次いで多かったのは、福島第一原子力発電所の核汚染水の海洋放出問題や両国政府の間に政治的信頼関係ができていないことなどで、それぞれ36・7%、28・2%だった。 


 ここ数年、中米関係が中日関係に悪影響を及ぼす傾向がますます顕著になっている。中米関係の影響の下、中国の回答者は中米対立の影響を最小限に管理し、 中日間の協力を促進することをいっそう強く願っている。また、日本の58%の回答者は、日本がどちらかの側に立つのではなく、世界の協力と発展のために貢献することを願っている。このような中立的意向は中日・日米という二つの二国間関係の重要性についての比較調査で示されたものであり、日本の回答者のほぼ半数が中日および日米関係を同じく重要視している。 


民間交流とメディアへの期待 


 自国のニュースメディアは両国の回答者が相手国および中日関係の情報を得る最も主要な手段となっている。調査結果によると、中日でそれぞれ60・0%、91・2%の回答者がメディアを情報源としており、そのうち両国いずれも筆頭に上がったのはテレビで、モバイル端末を使ったニュースサイトの閲覧など、ニューメディアの割合も比較的高かった。 


 中国の61・5%、日本の53・1%の回答者が中日関係の改善と発展における民間交流の重要性を認め、特に日本の回答者は文化・芸術面での民間交流が大事であると答えた。文化交流は中日両国交流の重要な一部であり、中日は未来を見据えて文化交流でより多くの努力を重ね、両国民の心の絆を強固にすべきだ。

 

 「北京ー東京フォーラム」の重要な構成要素である中日関係世論調査は2005年の初実施以来、中日両国の民意を反映し、相互理解を増進する重要な手段となっており、民意にまつわるデータと議題を同フォーラムにもたらしている。 (段非平=構成) 


人民中国インターネット版より