japanese.china.org.cn | 09.09.2015

日中韓民間環境教育交流15年の成果とこれからの10年

タグ: 日中韓 民間 環境教育

 



                                       諏訪哲郎 日中韓環境教育協力会 代表

(諏訪哲郎 1949年生まれ。学習院大学教職課程教授、日本環境教育学会会長。主な著書・論文:『加速化するアジアの教育改革』(編著、東方書店 2005)、「中国、韓国における1990年以降の環境教育の展開」『環境教育』(18-1、2008)、『沸騰する中国の教育改革』(編著、東方書店 2008)、『持続可能性の教育』(共著、教育出版 2015)))

日中韓の3か国の民間の環境教育実践者が初めて一同に会したのは、2001年7月、群馬県の国立赤城青年の家で開催された第1回東アジア環境教育ワークショップであった。その後、東日本大震災による中断があったが、開催地を日本、中国、韓国の持ち回りで実施してきた東アジア環境教育ワークショップは今年で14回目となる。

このような3か国間の交流の前段には、日中、日韓の2国間の民間レベルでの交流が存在した。日中間の最初の大規模な環境教育関係者の交流は、1996年から3年間継続された「日中共同環境教育シンポジウム」であった。その第3回目のシンポジウム終了時に、森良さん(NPO法人エコム代表)が「具体的な手法の普及・浸透が重要なので、中国で研修会を継続的に開きましょう。」と提案し、それを受けた西城区科技館の周又紅さんらが各方面を説得し、1998年夏以降、中国各地(北京のほか武漢市、重慶市、西安市、内モンゴル通遼市などなど)「日中第3回日中共同環境教育シンポジウムから通訳を務めてきた金丹実さんが、韓国語を母語とす環境教育研修会」が開催された。研修会で日本側が提供したプログラムは、主として参加体験型学習法の普及とファシリテーター能力の向上に重点を置いたもので、講師の中心は西田真哉さん(現新生会HALC自然学校塾長)であった。2001年3月にはそれまでの「日中環境教育研修会」での活動を集約した『参与式環境教育活動指南』(中国語)を出版し、中国側パートナー自身も現場の環境教育教師からなる「緑之行」という団体を作り、各地で環境教育研修会を活発に開催している。

日中の環境教育交流に韓国が加わったのは、る日中韓3か国語の同時通訳者であったこと、そして、日韓合同授業研究会という日韓の教育実践交流会のメンバーであった李仁植さんら韓国側環境教育関係者を、森良さんが第1回東アジア環境教育ワークショップに招いたことがきっかけであった。

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