japanese.china.org.cn | 09.09.2015

寿司の味、お母さんの味

タグ: 中日民間交流 ホームステイ 寿司
 


2004年 月壇中学校交流団とホストファミリー代表 大阪に

                                                                                               文=宣 絢麗

2004年、学校の交流活動で日本でホームステイをするチャンスに恵まれ、初めて正真正銘の日本食――「寿司」を食べた。ホストファミリーと一緒に寿司を食べることも、日本を留学先として選んだ理由の一つと言えるだろう。

6年後の2010年、留学生として再び日本という土地に踏み込んだのは、もっと勉強し、自分を充実させることは勿論、6年前にホストマザーが食べさせてくれた寿司をもう一度味わい、中日の友情をもう一度感じたいと思ったためである。

11年前の夏、まだ日本語もうまく話せない15歳の私は、不安を抱えながらホストファミリーと暮らし始めた。川本さん一家は典型的な日本人で、いつも真面目で厳しそうな顔をし、「中国人嫌いではないか」とかなり心配した。川本さん一家は私の不安とホームシックに気がつき、それを解消するため、特別に「寿司手作り会」をやってくれた。夕方、川本さん一家全員が揃い、お母さんはお気に入りの着物を汚さないようにエプロンを付け、焦らずに丁寧に教えてくれた。お父さんもお母さんの手伝いをしたが、切った刺身が厚すぎたり、軍艦寿司の海苔を破いたりし、おっちょこちょいで何度も叱られていた。その日食べた寿司は高級寿司店の大トロなどではなかったが、心が温かくなり、涙が出るほど美味しく、自分の余計な心配事は吹き飛んだ。

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