japanese.china.org.cn | 14.09.2015

中国で働く日本人:「洗練された東アジア文化」構築を望む

タグ: 東アジア文化,グローバル化,伝統文化

中国でデザインの仕事をしている日本人として、常々思うことがある。不遜に聞こえるかもしれないが、それは「これまで日本文化を育ててくれた中国文化に恩返ししたい」という気持ちである。この数十年、急速な経済成長や政治的な波乱などによって、中国では伝統的な文化が軽視され過ぎてきた。ようやく心の豊かさを追求するようになった現在、中国の人々は自国内部に伝統文化が欠如しているのを感じるようになった。一方、日本では欧米文化が氾濫している中でまだまだ伝統が残されていることから、日本に魅了される訪日中国人観光客が増えている。

それならば、両国が共に力を合わせて、現代生活に合った洗練された東アジア文化を作り上げていくべきではないだろうか。

グローバル化が進めば進むほど世界は標準化していくだろうし、国家間でのコミュニケーションもしやすくなるだろう。しかし、それと同時に人々の気持ちの中には、画一化されていくことの恐れが芽生えていくはずである。なぜなら画一化された世界はとてもつまらない世界だからだ。欧米主導によって進む画一化された世界は、欧米の人ですら居心地の良くない世界だろう。

「洗練された東アジア文化」は、東アジアの人々だけが望んでいるものではない。欧米の人も、中東の人も、東南アジアの人も、アフリカの人も待ち望んでいる。各地域が各地域なりの時代に合った文化を作り、発信し、影響し合うことこそ、望ましい世界の姿ではないだろうか。

両国が協力しあって「洗練された東アジア文化」を作り上げている――。これが筆者の望む10年後の日中関係である。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年9月15日

 

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